ストレス状態が極限に達した場合の症状

人々の体は環境の変化に適応できるようになっている。しかし、場合によっては十分対応できないこともある。外部からの刺激により生体内のバランスが崩れてしまった状態がストレス状態である。このような際に起こるストレス反応にはさまざまな種類がある。怒り、不安、無気力等の心理的反応、集中欲低下や不眠等の行動的反応、心拍数増加や血圧上昇、頭痛、胃痛等の身体的反応等である。

ストレスと心身の変化には関係がある。敵が近づいているような緊急状態を想定すると、その際、人は強い怒りや恐怖を感じ、戦う、もしくは逃げるといった行動に出る。怒りや恐怖を感じた際に現れる身体反応にはいろいろある。例えば心拍数の増加、血圧上昇等である。このような身体反応は、血流量を増やし筋肉に酸素や栄養素を早急に届けたり、怪我での出血に対応するために起こるのである。戦う、あるいは逃げるために必要な準備なのである。

一時的なら普通であり、問題になることのない身体反応も、長期間続いてしまうと生体に疲労が生じる。例えば、心拍数の増加、血圧上昇等が続くことにより、循環器系の疾患が生じる恐れがある。ストレス状態が長く続くと、心身に負担がかかり過ぎ、重大な疾患につながる恐れがあるため注意が必要だ。ささいなことで激しく怒る、イライラすることが多い、好きなことが楽しくなくなる、疲れていても眠れない等の症状が出ている場合、ストレス状態が極限に達している可能性がある。重大な疾患を避けるためにも、早めにこのような状態から脱することが大切である。